数値シミュレーションで、P 制御にD制御が加わると、姿勢安定化への傾向が一挙に強まることわかった。そのことについて、少し考えてみる。
まず、サインカーブとコサインカーブを示しておこう。
青がサインで、赤がコサインだ。いま、例えばドローンの揺れ(ピッチあるいはロール)がサインカーブのように発生していると使用。P制御はその揺れを抑止する形で制御をかける。すなわち、サインカーブを水平軸で裏返したような動きの指示を与える。
これまでみたように、それでは揺れは治らない。また別の揺れを作り出すものだ。ところが、その揺れを微分した制御を加えるのが、D制御だが、 サインの微分はコサインなので、図のコサインカーブの逆向きの制御をかける。それが決定的に重要なのは、振動の位相が90度ずれているということである。
実際の機体が揺れている時の、ロールのP制御、とロールのD制御の値を示している。ただし、激しく細かく揺れ過ぎているので、20期(1期10msなので、200ms)の移動平均を取った値である。よくみると、D制御のピークがP制御のピークから少し早く始まっている。
制御における、位相をずらすことがD制御の大事な役割なのである。微分制御だから急激な変化を弱めるということも言われるが、より大事なのは、この位相をずらした制御だと思っている。
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