二之袋ベースの風よけテントの中でドローンを飛ばしてから、一ヶ月半が経過した。
一体何をやっていたのか。
ベース隣のS工務店さんから無料で借りていた作業場を撤収した。とてもありがたい申し出だったが、ドローンの製作、整備をやる環境としては、自由度がなかった。社長さんはとても素晴らしい方だったので、それもそれとして、お願いすれば提供してもらえたかもしれないが、やはりそれは正しくないと思った。
そこで、二之袋ベースに作業場を建設しようかと思った。建築事務所等に相談すると、十数坪の建物で、浄水排水、電気なども整備したものを建設しようとすると、300万円では済まず、400万円、あるいはそれ以上の費用がかかってしまう。
そこで、二之袋に隣接する下ケ傍示の古家付き土地を購入して、その古屋を作業場にすることを考えた。二之袋ベースから1キロほど離れているところに、適当な古屋付きの、70坪くらいの土地があった。古家は、床、天井など、全面修理が必要だった。三百数十万だったが、それでは高すぎて買えないということで、最終的に、230万円で買付証明を出したが、売主さんが亡くなっていて、相続手続きなどが遅々として進まず、結局それは諦めた。
すると、二之袋ベースから300メートルしか離れていない場所に、それまで490万円で売り出されていた古家付き土地が370万円に値下がりしていた。そこには、古い母家の他に、床面積10坪くらいの小屋がついていた。母家は、先の下ケ傍示の古家ほど壊れてはいず、5DKで、ある程度そのまま使えそうなものだった。上水、下水、電気配線はそのまま使えそうだから、その辺りの追加費用はいらない感じだった。水道トイレ付きの小屋と考えてもよかった。
小屋は、全面コンクリートを売ったもので、相当古いが、ちゃんと掃除し補強すれば使えそうだった。この小屋がドローン施作の作業場として、とても魅力的だったのだ。
土地の面積も公簿上は80平米弱だったが、各辺の長さを自分で巻尺で測ったり、グーグルマップの面積測量で測ったりしたが、どうみても、170坪前後はある。境界も、境界標識や道路、用水などである程度明確になっている。どうして、こんなに公簿と実測の違いが出てくるのか戸惑った。
世の中には、公簿と実測が違う土地などいくらでもあるので、それ自体は不思議ではない。それにしても大きく違う。それで調べた。その土地は、公図が明治時代に作られている。おそらく、周辺はほとんど田んぼだったが、その土地は、早くから住宅地として使われていたようだ。古い土地の利用状況の地図が法務局にあったが、その状況が反映されていた。その後、田んぼの区画整理が行われ、県道がその土地の脇に走るようになった。そのあたりで、その土地は分筆が繰り返された。つまり、例えば元々の土地がX番地だったとしよう。最初の公図が作られた時はただのX番地だったのだ。それが道路がつくられる時に、その道路になった部分をX-2 とした。一方、元の土地はX-1 となった。さらに分筆されX-3が別れた。これらの分筆時に、分筆で元から切り出された土地の面積は、かなり正確に測られたたが、元々のX-1の土地は、元の土地から、分筆した土地の面積をひいたものとして計算された。これを「残地球積」という。元の土地の面積が100だったとして、X-2が測定したら20だったら、元の土地は、80というわけだ。
元々の土地の公簿面積が実測面積と一致していれば、いくら分筆しても、X-1の公簿面積は小さくなるが、正しく計算される。しかし、昔は、公簿面積が土地の生産力などを反映して、実際より小さくなっていた場合が多い。税金にかかわるからだ。その状況で、先の、残地球積を繰り返すとどうなるか、最初の実測と公簿との差が絶対値でX-1にそのまま残っていくことになるのだ。
例えば、元の土地が公簿上は100だったが、実測150だったとしよう。誤差が50あることになる。X-2に分筆された土地面積を測定したら、20だったら、公募上は、元のX-1は、残地球石で、実測されず、80になる。また、実測は20減って130ということになる。最初の実測と公簿面積の誤差50が、X-1にだけ残っていることになるということだ。
こんな事情だったのではないかと推察した。もちろん、正確な土地面積を出すのには、境界を確定し土地家屋調査士などに依頼して測定しなければならない。それだけで何十万円も、あるいは長い月日がかかってしまうので、そんなことはやらないから、それはわからない。
その辺りの土地は、自分の相場感覚では、坪3万円とみている。二之袋ベースは、100坪あるが、それよりもはるかに安く買った。しかし、下ケ傍示の人に色々話すと、売り手側の相場意識は、坪3万円なのだ。80坪と考えると、270万円なので、売値370万円は高いが、自分にとっては母家と小屋が100万円ほどの価値があるので、ほぼ相場かなと思った。ただし、その土地に接している県道は、結構車の通りが賑やかな、4キロも走れば、九十九里浜の大きな海水浴場に続いてもいる。その剣道に45メートルも接して、土地の立地は結構いい。立地の良さは、私にとってはあまり関係のないことだが、バス停が目の前にあるというのもいい条件だった。
そんなことを総合的に考えると、370万円でも購入してもいいと思うようになり、買うことにしたというわけだ。
今、その母家と小屋の整備に時間が取られている。母家は築50年のために、相当へたっているが、妻にも手伝ってもらって、なんとか、そこでも暮らせるようなものにしたいと手間をかけている。小屋の床のコンクリートのひび割れをセメントで補修したり、排水管が詰まっているのを直したり、母家だとキッチンの汚れた床や壁を取り替えたり、することはたくさんある。それをぼちぼちやっているところだ。母家の屋根はしっかりしているので、致命的な問題はあまり見当たらない。歴史がある土地で、それが土に色々刻まれているのが面倒であり、また面白くもある。
小屋の電気(蛍光灯やコンセント類)は、もともと母家の電気をつないでいたようだが、二之袋ベースに予定していた1500Wの発電力があるソーラー発電システムを、小屋の横のパネルから引いてきて、独自の電源として機能するようにした。
転売するわけではないので、完全なリフォームにするつもりはない。自分が使う間そこそこもつように手を加えるだけだ。しかし、そうすることで、東京から通うコスト(1回往復2600円)を節約できる。これが大きい。
そんなことをしていたために、ドローンを製作し飛ばすのが遅れてしまっている。しかし、母家と小屋の補修も大きなものが終わってきているので、そろそろドローンに頭が切り替えられるようになってきている。
ドローンは、最後に二之袋ベースで飛ばしたものよりも、ひと回り大きな、プロペラが17インチのものになっている。機体の設計も、1号機とは大きく違ったものになっている。部品はほぼ作り終えているので、これを今、下ケ傍示ベースで組み立て始めているところだ。
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