2022年9月26日月曜日

プリント基板の設計と業者への発注:(2)基盤の編集

 回路図の設計が終わったら、基盤の編集に入る。


上のメニューの右から2番目の緑の基盤の絵が書いてあるアイコンをクリックする。


こんな、基盤の編集画面が現れる。左から2番目のアイコンをクリックすると、以下のような設定画面が開く。

基盤のレイヤーの設定などいろいろある。全部いきなり分かろうとしても無理だ。少しずつ解るしかない。レイヤーは、基盤の層だ。普通の基盤を作成するときに必要なチェックが既に入っているので、それをもとにすれば良い。よく登場するレイヤーは次のようなものだ。

一番大事なのが、F.CuとB.Cuだ。基盤の信号のための二つのそうで、前者が表、後者が裏である。裏には、ベタのGND面を設定したりする。Edge.Cutsは基盤外径で、基盤の大きさを指定するときに使う。チェック欄がないが、必ず必要になるという意味だと思う。

「物理的スタックアップ」は、基盤の層がどうなっているかだが、結局、最後の行の暑さが普通の基盤のように1.6mmになっていることを確認することくらいではないか。

全体として、ほとんどいじらないでいいと思う。

「基盤の更新」のアイコンをクリックし、出てきたウインドウの、基盤を更新ボタンを押すと次のように塊になって現れる。(なお、配線図が正しく描かれていないと、このように現れないことがある。例えば、部品のリファレンスが設定されていないと、結線が描かれず部品だけの塊になっている。その場合は、配線図の編集に戻って、リファレンスを自動で、あるいは手動で打ち直す必要がある)


部品と結線が描かれている。部品は、フットプリントで形状が指定されたものが出ている。従って、抵抗の足やコンデンサーの足、ソケットのピン配置などが指定の大きさになっている。部品が多いと、ここからの作業が面倒になる。つまり、部品一つ一つを、この状態から移動させて、基盤の上に配置しなければならないのである。部品同士が白い線で繋がれているが、これが配線図で指定した結線である。部品をどのようにしても、結線はそれにつれて長くなったり方向を変えたりする。

部品が多いと、部品配置から結線が同一レイヤー上で交差しないようにするのが人力では困難になるので、のちにJAVAで書かれた自動結線ソフトについて触れる。

部品配置を具体的にする前に、基盤の外枠を指定しなければならない。そうしないと、どの範囲にどの方向に部品を配置しなければならないか、見当がつかなくなるからである。

外枠を指定するためには、上のメニューバーの中にあるレイヤーをEdge.Cutsにする。自動的に、右ウインドウのレイヤーの選択がEdge.Cutsになる。逆は逆である。どちらからでも良い。

外枠の設定でも、さらに部品の配置でもグリッドを生かすことはとても大切である。トップメニューの「表示」から「グリッドプロパティ」をクリックすると、グリッドの選択状況が確認できる。

そこにあるように、「オプション」と「1」ボタンを押すと、グリッドが通常の基盤の0.1インチ幅になり、2にすると、その半分になる。必要に応じて切り替えながら配置するのがいいと思う。

外枠の設定に戻ると、レイヤーを選択したのち、右の編集アイコンから「線を描画」を選び、必要な枠を描く。

描き終わったら、右の編集アイコンで、矢印の選択モードに戻しておこう。この外枠の範囲に部品を配置すれば、基盤ができる。外枠の大きさは基盤の大きさになるので、出来上がりをイメージして作成するのがいい。小さすぎると部品がうまく詰め込まれなくなってしまう。大きすぎると無駄ができ、基盤費用が少し高くなる。

また、この段階で基盤のネジ穴を設定しておいた方がいいと思う。というのは、ネジ穴から少し話して部品を配置しなければならないので、後でネジ穴を設定すると、そのために部品を全部移動しなければならなくなる可能性があるからだ。

右の縦列の編集アイコンから、四角と穴が描かれた「フットプリントの追加」アイコンをクリックする。

出てきたウインドウの検索フィールドに mountと打つとネジ穴のフットプリントがいろいろ出てくる。その中のMountinguHole 3.2mm M3を選ぶと、通常の3mmネジ用の穴がセットされる。これは、必要に応じて小さいのやら大きいのやらを選べば良い。

OKボタンを押して、カーソルをボタン位置の上でクリックしセットすればいい。

配線は、部品を一つ一つクリックして移動させることの繰り返しだ。テキストや穴位置などをクリックするとそれだけしか移動しないので、赤い枠をクリックすると全部が選択できる。まとめて領域をクリックするとき、意図していない部品の名前だけを引っ掛けてしまうことがあるので注意が必要である。

一旦、枠外に移動させて、それぞれの位置を定めて配置していくのもいい。

いくつかの部品を移動させてみた例が上である。配線は、引きずったままである。部品をどのように配置するかは、戦略とセンスがものをいう。なるべく配線に無理が出ないような配置にしないと、自動配線をしたときにうまく2層で配線しきれないという事態も生じる。慎重でなければならない。

なお、各部品の配置時に、部品を縦にも横にも回転させることができるので、それも工夫してスペースを利用すると良い。部品上で右クリックすると回転指示のダイアログが表示され、右回転、左回転が設定できる。


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